事実婚の増加と背景
近年、結婚という形式にこだわらず、事実婚を選ぶカップルが増えています。総務省の統計でも「非親族の男女の同居」が増加傾向にあることが示されています。こうした背景には、法律上の夫婦別姓問題や結婚までの手続きへの負担感、そして経済的理由があるとされています。
事実婚とは?
事実婚とは、結婚の意思があるものの婚姻届を提出せず、夫婦同然の生活を送る関係を指します。この関係は「内縁」とも呼ばれ、法律上も一定の義務や権利が認められています。
たとえば:
- 夫婦の同居や協力扶養義務(民法752条)
- 貞操義務や婚姻費用の分担(民法760条)
- 日常家事債務の連帯責任(民法761条)
これらの規定は、婚姻関係とほぼ同じ扱いを受けるため、事実婚であっても法律上の責任を負うことになります。
事実婚のメリットとデメリット
メリット
- 夫婦別姓を維持できる
- 法律上の手続きが不要で自由度が高い
デメリット
- 相続権が認められない
- 子どもが生まれた場合、親子関係の確認が必要
事実婚解消時の注意点
事実婚を解消する際、一方的な破棄は「内縁不当破棄」とみなされ、損害賠償請求や財産分与の対象になることがあります。実際に発生する賠償金は、以下が考慮されます:
- 精神的損害(慰謝料)
- 結婚準備や同居に伴う費用
まとめ
事実婚は、時代の変化とともに増加しています。法律上の婚姻関係ではないものの、同じような権利や義務を伴います。
- 事実婚でも法的な責任があることを知っておくこと
- 解消時には相手への配慮が必要なこと
自分の生き方に合った関係性を築くことが、これからの社会での幸せな生活の鍵となるでしょう。