飲食店を経営してみたい、まさに今飲食店をするために修行中の方、もしご自分がお店を経営するとなると絶対失敗はしたくないですよね。
大切な時間をかけて料理の勉強をしたり、何年もかけてお金をためたり、お店を失敗する事は絶対避けたいものです。
私でもそう思います。
そこで今回は沖縄県の飲食業動向調査を私の視点から見ていこうと思います。
アンケート調査ですので、今後お店を出す際の1つ参考になると思います。
心してみてください。
沖縄県飲食の動向
沖縄県の飲食業の開業率・廃業率は全産業に比べてとても高く、全国と比べても共に高いようです。
今回は沖縄県の全産業と飲食業を比較してみます。
※「BAR、キャバレー、ナイトクラブ」は除いた数字となってます。
まずは開業率 (平成21年度7月~平成24年度2月)
全産業 | 事業所数 | 開業率 |
68,543 | 4,782 | 2.7% |
飲食店 | 事業所数 | 開業率 |
6,743 | 1,014 | 5.8% |
全産業は68,543事業所に対して開業率が2.7%、4,782事業所が増えているという事になります。
ちなみに飲食店は6,743事業者に対しての5.8%で1,014事業所が増えています。
結構高い数字で開業しているという事が分かるかと思います。
そこから考えられるのは、飲食産業はものすごく参加しやすい業界という事が言えるでしょう。
言い換えると…誰でも参加できる業界という事です。
ですので、ものすごい激戦区になるという事が予想できます。
もし参戦するなら心して挑みましょう。
次に廃業率を見てみましょう。
※「BAR、キャバレー、ナイトクラブ」は除いた数字となってます。
廃業率(平成21年7月~平成25年2月)
全産業 | 事業所数 | 廃業率 |
68,543 | 4,782 | 7.2% |
飲食店 | 事業所数 | 廃業率 |
6,743 | 1,657 | 9.5% |
数字を見ていると結構厳しい数字だと思います。
新規で1,014事業所が増え、1,657事業所が消えていく、厳しい世界です。
増えるより減るのが多いという業界とも言えます。
参戦はしやすいが、消えていくのも早いというのが特徴なのではないのでしょうか。
はやり、この激戦区で戦っていくのは一筋縄ではいけないという事でしょう。
次に飲食業を取り巻く環境について見ていきたいと思います。
飲食業を取り巻く環境…
現在の環境の機会は…
- 市場規模が1500億円とされている。
- 観光客の増加が見込まれる
- 観光客の1人当たりの飲食支出が減少していない
と言う特徴があります。
特に観光客に関して直に感じている方はいらっしゃるのではないのでしょうか。
道を歩くと普通に観光客が歩いてる、特に外国人の観光が目立ちますよね。
はやり今後の観光産業は伸びていき、より一層増していくのではないのでしょうか。
もしかすると、そこにヒントがあるかもしれませんね。
では次に脅威についてみていきたいと思います。
脅威としては…
- 県民の1人当たりの外出比率が低い
- 観光客の食事に対する満足度が低い
- 色々な産業の参加が著しい(コンビニエンスストアの参戦)
- 求人難
1番に関しては、県民所得の減少により最近は「家のみ」や「節約」が増えたのが原因ではないかと思われます。
今はコンビニなどでお惣菜を買っても、下手なお店で食べるより「美味しい」物がいっぱいあります。
わざわざ外出までして、食事をするまでもないと思うのかもしれません。
次に求人難です。
これもよく聞きます。お店によっては本当に死活問題です。
お店が繁盛していても、従業員が集まらない…時給を上げても、人が来ない…
これはかなりの問題なのではないのでしょうか。
今は飲食業界で働くことに魅力を感じない人が多いのかもしれません。
ひと昔では考えられない事でした。
では次に黒字店舗の経営について見ていきましょう。
参考になるかと思います。
黒字店舗の経営
言わずともわかると思いますが、赤字店舗に比べてレベルが高いという事です。
どう言った所が違うのか見ていきましょう。
①ターゲット顧客
中高年だけではなく、ファミリー層やグループ客を対象としている。
一定の客層や個人のお客さんだけではなく、どの世代にも対応できるお店が多いという事でしょう。
お洒落なお店も良いのですが、はやり家族などで行ける飲食店は私個人も大変助かります。
②商品
「味・おいしさ」に加え、「新鮮」、「食材」にもこだわりがある。新メニューにも積極的である。
食材のこだわりも余り行き過ぎると経営を圧迫する事はありますが、はやりお客さんに良いものを出したいという気持ちは大事なのではないのでしょうか。
新メニューの開発についても同じです。
最近は、どこのお店で食べてもそんなに味が変わらない商品がいっぱいあると思います。
いわゆる「コモディティ化」ってやつです。
斬新な商品までとは言いませんが、少なからずお客さんが驚くような商品やサービスがあると、他の店より頭一つ出る事が出来るかもしれませんね。
③価格
客単価を意識したリーズナブルな価格設定をしている。
居酒屋などが出している、1人3,000円食べ飲み放題や、焼肉90分3,000円食べ放題とかそんな感じでしょう。
この価格設定だと、誰でも利用しやすいですよね。
特に値段の心配をせずにお店に入れるのが良いのではないのでしょうか。
④プロモーション
積極的に展開 「ITの活用を積極的に行っている」
今の時代はSNSの時代です。
よく言う「インスタ映え」ってやつです。
4Gの時代により、もっとも普及したのはSNSです。
これを使わないとなると、波に遅れてしまいます。
黒字経営の店舗はこう言った流行の波に乗るのが早いのが特徴なのかもしれません。
また、インスタ映えする商品を作っておくと宣伝にもつながるかもしれませんね。
余談ではありますが、ちなみに私も使っています。
⑤店舗
立地が良く、一定の店舗規模を有する。クレンリネスは徹底している。
ここでのポイントは、はやり「立地」でしょう。
これは飲食店では、今後の経営を展開していくうえで非常に大事な課題ではないでしょうか。
美味しかったお店が、つい最近行ってみると無くなっている…そんな事ってありませんか?
私の事務所の近くにあったお店ですが、久しぶりに食べに行ったらな無くなっていた…って事がありました。
美味しかったのですが、この店の悩みは立地条件が悪い事でした。
その立地条件を解消すれば今でもそのお店は残っていたのかもしれません。
⑥サービス
「顧客との対話」にお客への接客サービスの取り組み度が高い。
どの業界でも同じことを言っていますが、どの業界でも求められるスキルはずばり…
「コミュニケーション能力」という事です。
飲食業では如実にそれが出てくるのではないのでしょうか。
- お客さんとの対応
- 従業員との会話
- 仕入れ業者との対応
などすべてのところで求められます。
黒字店舗ではそういった「コミュニケーション能力」の高い人材が多いのかもしれません。
⑦ブランド力
アンケート調査では5割が自分たちの強みを持っていると答えています。
黒字店舗ではそういった自分たちのブランドを作っていく事を常に意識しているのでしょう。
⑧経営管理レベル
非常に高い。経営計画が立てられている。
簡単に言うと数字に強いという事です。
売上、費用の管理、データの管理などを徹底してやっているという事です。
決して「どんぶり勘定」ではないという事です。
⑨人材づくり
スタッフの定着率が高い。人材育成対策をしっかりとしている。
人材の定着率が高いというのは、お店がしっかりしているという事でしょう。
先程の「コミュニケーション能力」とも被りますが、ちゃんとコミュニケーションが取れてるお店はお客さんにも、良い影響を及ぼすのでしょう。
⑩社会的要請への対応
禁煙 食の安全 安心 高齢者社会への対応
最近で言えば禁煙ブームです。居酒屋などでもそれを取り入れているお店もちらほら出てきています。
ファミリー向けのお見せなどでは、ほとんどが禁煙になっているのではないのでしょうか。
喫煙室を設けているところもありますが、そのうち無くなるかもしれません。
そのように黒字経営店舗では、今まさに起こっている事を取り入れて行く柔軟性がある所に特徴があるような気がします。
黒字経営の店舗でも、これから成長していくためにはいくつかの課題もあります。
- 接客の向上
- スタッフの確保
- 人材育成
- 食材の安定的確保
- 価格の見直し
などいくつか課題があります。
課題に対して真摯に向き合って解決していくのも黒字店舗の特徴ではないのでしょうか。
次は、赤字店舗の特徴を見ていきましょう。
赤字店舗の経営特徴
黒字店舗と比較すると、ざっくり言えば、客数が数が少なく、客単価も低く、売上確保が厳しいという事です。
では見ていきましょう。
①ターゲット
地元の中高年層が大部分。「安定した固定客」を強みとする店舗が少ない。
ターゲット層が一定と言うのが特徴なのかもしれません。
先程の黒字店舗だと「ファミリー層」なども取り入れて、範囲を大きくしているところが違いますね。
あとリピーター確保が弱いところもあるかもしれません。
一度来ていただいたお客さんに、また来てもらうためにはどうすれば良いのか?
作戦を立てなければいけないかもしれませんね。
②商品
「あじ・おいしさ」のこだわりはあるが、「鮮度」「食材」などは薄い。
新メニューの開発への取り組みが弱い。
常にお客さんは新しいものを欲しがります。
マンネリするお店では飽きられるかもしれません。はやり定期的に新メニューは取り入れたほうがお客さんも喜ばれるでしょう。
喜んでもらえればまた来てくれる、可能性もグンと上がります。
赤字店舗の場合は忙しいあまり、そういった事を忘れてしまうのかもしれません。
③セースルポイント
「リーズナブルな価格」を上げる店舗が比較的多い。
黒字店舗では「客単価」を意識しながら、値段設定をしているが…
赤字店舗の場合は「客単価」を意識せずに、値段を設定している様です。
他の店が3,000円で出しているから、自分たちも同じように3,000円で出そうか。
そんな感じではないのでしょうか。
そこは、他の店に合わすのではなく、お客にあった値段設定を意識したほうが良いのかもしれませんね。
④プロモーション
「特に実施していないが2割」後…
- 「口コミ」
- 「ホームページ」
- 「チラシなどの配布」
などの割合が高い。
公告の出し方がかなりアナログのような気がします。
ITの活用がほとんどなく、SNSの活用はあまりないような感じです。
特にしていないが2割もいるというのは、少し驚きです。
おそらく昔からある、おばちゃんたちがやっている食堂や老舗のお店でしょう。(みんなが知っているお店)
そこは分かる気がしますが、もし今からご自分でお店をお持ちになるなら、ITは活用すべきではないでしょうか。
⑤店舗
立地を強みとする店舗は極めて少ない。
黒字店舗と違って立地条件にはあまり積極的ではないようなイメージを持たれます。
私個人の意見でありますが、はやり、飲食店での生命線は「立地条件」ではないのでしょうか。
お客さんに知ってもらうためには、目立つ場所やお客さんが利用しやすり場所にあると、認知度も上がるし、いつでも利用ができる。
そんなイメージができやすいのではないのでしょか。
せっかく料理がおいしいお店でも、お客が来なければ経営が成り立ちません。
お客さんにお店の事を覚えてもらうためには、立地には妥協しないようにしたほうが良いのではないのでしょうか。
⑥サービス面
「顧客との対話」には取り組んでいるが、雰囲気作りや演出の工夫への取り組みが弱い。
雰囲気や演出などは、なかなか小さいお店では出来ないかもしれません。
ですが、それに代わる代替案を作ってみると良いかもしれません。
例えば…曜日によってゲームをしたり、ちょっとしたサプライズ(プレゼント)をしてみるとかも良いのではないでしょうか。
大きなことをするのではなく、できる範囲で良いと思います。
⑦店舗のブランド力
強みとしている店舗は14%に過ぎない。
黒字経営店舗は5割に対して、赤字店舗の場合は1割弱です。
とても低い数字になっています。
ブランド力を作るよう意識をしてみると少しでも変わるかもしれません。
⑧経営管理面
- 経営計画の作成は3割程度に止まり黒字経営店舗に比べて下回っている。
- IT活用も低い。
- 顧客情報管理割合は13%に過ぎない。
黒字店舗に比べてかなり数字に弱いような気がします。
また、ここから見えてくるのは赤字経営店舗は「IT面に弱い」と言う印象を受けます。
リピーターに繋がるような工夫が乏しいようにも感じられます。
ちょっとした工夫で少し変わってくるかもしれません。
⑨人材づくり
スタッフの定着率は良いが…
モチベーション対策において「特に実施しない」とする店舗が多い
黒字経営と少し違うのは「人材育成」に力を入れているか、いないかです。
黒字経営の店舗の場合は、人材育成のための「勉強会」などもあるようです。
⑩社会的要請
いずれも黒字店舗より下回っている。
赤字経営店舗も取り組んではいるが、黒字店舗ほど取り組んでいないという事ですね。
取り組みたいけど、なかなかできない。
- 時間が無いのか?
- はたまたは人が足りないのか?
理由はそれぞれではあると思います。
社会的要請も取り入れることにより、他の店よりは少し差別化が図れるかもしれませんね。
まとめ
黒字店舗の特徴・赤字店舗の特徴
経営実態アンケート調査のデータで比較をしてみました。
黒字店舗の特徴
- ターゲットの範囲が個人客だけではなく団体お客も視野に入れている。(範囲が広い)
- メニューの新開発には積極的。
- 店舗を出す立地は良いところ選ぶ
- ITの活用を積極的に行っている
- 社会的要請のニーズには素早く対応している(禁煙ブームなど)
赤字店舗の特徴
- ターゲットが一定層だけになっている。
- 新メニューの開発に関して消極的である。
- ITの活用が少なく、広告などがアナログ方法が多い。
- 店舗の立地を強みとする店舗は極めて少ない。
- 人材育成に関しての対策はほとんどしていない。
以上となります。
黒字店舗にはそれなりに特徴があり、赤字店舗にはそれなりの理由がある。
私の見解からすると、はやり黒字店舗のターゲットと、赤字店舗のターゲットではかなりの違いがあるような気がしました。
それは、黒字店舗は「安定したお客さん」を狙っているのに対して、赤字店舗のターゲットは、「特定のお客さん」しか狙っていないような気がします。
また、黒字店舗は「特定のお客さん」を「安定したお客さん」に換えていく努力もしているように思われます。
もちろん、出店するお店にもよってターゲットは変わってくる、又は絞る必要もあると思います。
barを出すのにファミリー層を相手にすることはありませんし、パーラーでお酒を飲む中年男性をターゲットにすることもないと思います。
ただ、あまりにも何も決めないでぼんやりしているようなお店も多いのも事実ではないのでしょか。
それが今回のアンケート調査数字に出ていると私は実感しております。
もしもあなたが今後飲食店の経営をお考えであれば、このアンケート調査の数字に真摯に向き合い、どのように展開をしていくのか、検討してみてはいかがでしょうか。
参考になれば幸いです。
終わりに
私が愛用している本を紹介して終わりたいと思います。
マーケティングに関する本を紹介したいます。
伝説のマーケッター
著者 ジェイ・エイブラハム
ハイパワー・マーケティング
をお勧めいたします。
この本には集客に関す考え方、仕事に関する考え方など、今後ご自分で独立していきたいと考えている方に是非お勧めしたい一冊です。
もちろん、サラリーマンの方でもためになります。
リンクを張っておきますので、そちらからでも確認してください。
最後まで読んでいただき、有難うございます。
もしこの記事を見て役に立ったなと思いましたら、コメントなどしてくれると大変嬉しいです。
これからも良い情報を発信していきますで、応援の方よろしくお願い致します。
ではまた…
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