褒め方しだいで人は変わります…特にお子さんを褒めるときには気を付けてください。
人を褒めるとき、むやみやたらほめちぎる人をたまに見ます。
それはそれで、悪い事ではないのですが…
しかし、ほめかたひとつで良くもなれば悪くもなるケースがあるのも事実です。
特に子供はほめて育てると良いと言いますが、もしダメなほめかたをしてしまうと「落とし穴」にはまってしまうかもしれません。
落とし穴とは何かといいますと、ほめた相手の「考え方」です。
☆どういう事かというと…
良かれと思って褒めては見たけど、結果的に相手の行動を萎縮させたり、チャレンジする意欲を奪ったりと、褒めた事によってかえってマイナス効果が生まれ「落とし穴」入ってしまう。
そんな感じです。
日頃から良い褒め方をしていれば良いのですが、ついつい私なんかも相手を褒める時、子どもでも大人でも無意識にダメなほめかたをしてしまっていることもあります。
ではダメな誉め方とは、いったいどんなものかと言いますと…
ずばり相手の「能力」を褒めるという事です。
エ⁉と思われる方もいらっしゃると思いますが、相手の「能力」ばかりにフォーカスして褒めてしまうと先程の「落とし穴」にはまってしまうという事です。
今回は…
- そのダメな褒め方をしていくとどうなるか?
- また、良い褒め方とはどういった褒め方なのか?
- 褒め方次第で相手はどのような行動をしていくようになるか?
それを探っていきたいと思います。
では早速見ていきましょう。
ダメな褒め方とは…
ずばり…「能力」を褒める事です。
例えば…
- 頭が良いね…
- 天才じゃない…
- あなたしかできないかも…
など、とても気持ち良い言葉ではありますね。
言われるとうれしくなる言葉だと思います。
しかし、その「能力」を褒めることによる弊害があるのも事実です。
そもそも、ほめられた相手がこんな考えだったら
- 「自分は頭が良いだろうか」
- 「賢く見えているだろうか」
- 「本当に自分に出来るのだろうか」
など、先程のほめた言葉が、ますます相手を追い込み、物事に関する関心が全部自分に向いてしまい結果的には、プレッシャーを感じて本来の力が発揮できないという結果をもたらしてしまいます。(もう自分の評価ばかり気にし始めて落ち着かなくなるのでしょう)
ちなみに、こんな実験の結果があります。
思春期初期の子供たち数百人を対象にした実験です。
子供たちに、非言語式知能検査のかなり難しい問題を10問やらせたそうです。
ほとんどの生徒がまずまずの成績で、問題を解いた後にほめ言葉を掛けたそうです。
ほめるにあたって生徒を2つのグループに分け、1つのグループは「能力」をほめ、もう一つのグループは「努力」をほめる実験を行ったそうです。
「能力」のグループには…
「よくできたわね…頭が良いのね」
とほめてあげ、「努力」のグループには…
「良くできたわ…頑張ったのね」
とほめてあげたそうです。
違いは前者のグループは「能力」をほめてあげる。後者のグループは「努力」をほめた。
という事です。
成績はどちらのグループも同じぐらい。
しかし、ほめた直後から両グループには差が出始めたそうです。
「能力」をほめた生徒たちは、次に取り組む問題を選ばせると、新しい問題にチャレンジしなくなり、自分の能力が疑われるのかもしれない事には一切やりたがらなくなったとの事です。
行動が委縮し始めたという事なんでしょう。
自分がボロを出してしまうのではないかと、まわりの評価を気にし始めたという事です。
また、難題を出した際も「能力」をほめた生徒たちは、問題が解けないのは自分たちが頭が悪いからと思うようにもなったそうです。
本当に褒め方1つでこんなにも変わってくるもんなんですね。
※私自身の話になりますが、仕事の関係で子どもと接する機会が良くあります。
その子供たちを大きく分けると…
- 「周りを必要以上に気にするタイプ」
- 「周りをほとんど気にしないタイプ」
の2つに分ける事が出来ます。
特に「周りを必要以上に気にするタイプ」の子供たちは想像している以上に、周りからの評価を異常なくらい気にします。(何でと思うくらい、びっくりします)
その子供たちは…
- 自分がどう思われているか?
- 自分には無理…
- 周りはそう思っていない…
など決めつけたり、自分に限界を決めたり、とにかく何かと比較をしているように感じます。
もしかすると、我々大人たちがそうやって、子供たちの「能力」ばかりにフォーカスしてほめているのが原因なのかもしれませんね。
もちろん、子供だけではありません。
近くにいる友人や知人、同僚などにも知らず知らずの内に「能力」ばかりをほめているのかもしれません。
もし人間関係で相手と良い関係になりたければ、「ダメなほめかた」ではなく「よいほめかた」を意識したほうが賢明なのかもしれません。
では良い褒め方とはどんなほめ方でしょうか。
【影響力のある褒め方】とは…
これは先ほども言ったように…「努力」をほめる事です。
「努力」をほめるとは、どういうことかと言いますと…
- よく頑張ったね…
- 工夫したんだね…
- このやり方もいいかも…
など、「結果」や「能力」ではなく目標に向かっている「努力」をほめてあげるという事です。
私たちは「結果」や「能力」を褒めたがりますが、そこではなく「努力」をほめてあげることによりその相手の可能性を伸ばしてあげることが出来るという事です。
先程の実験の結果でも「努力」をほめた生徒は「能力」をほめた生徒と違って、ほとんどの生徒が新しい問題にチャレンジする方を選び、学ぶ機会を逃さなかった。
など前向きな結果が出てきたそうです。
難題が出てきたときも「能力群」の人達と違い、「もっと頑張らなくては」と考えたり、問題を解けないことは失敗とは思わず、自分の頭が悪いからとも考えなかったそうです。
難題を出されても嫌な顔もせず、むしろ難しい問題を面白いと答える生徒までいたそうです。
本当にここまでの違いがあるんですね。
という結果になったという事です。
是非、これからは相手の事を褒める際は、「能力」ではなく「努力」をほめてあげてください。
最期の実験
この実験には続きがあり、実験を行っている生徒全員に他の学校に行ってもらい、よその学校の生徒にどんな問題が出たのか教えてあげてください。
と言って紙を配ったそうです。
その紙の中には「自分の得点」を記入する欄があったそうです。
ここからが凄いのですが、「能力群」…能力をほめられた生徒の4割近くが、自分の得点を偽って書いていたそうです。
やはり自分の評価が気になりそういった行動をとるのでしょうか。
間違いは失敗と考えてしまうのでしょう。
- 頭が良いね…
- 天才じゃない…
- あなたしかできないかも…
など言われると普通の子供でもウソをつくようになってしまったという事です。
本当に…ほめかた1つで人はこうも変わってくると、むやみにほめることが良い事にはならないのかもしれませんね。
まとめ
相手をほめるときは…
- 「能力」をほめるのでなく「努力」をほめてあげましょう。
- 「能力」ばかりをほめると新しい事などにチャレンジしなくなるので気を付けよう。
- 「努力」をほめる事でチャレンジ精神や好奇心を養ってあげよう。
今回はちょっと大人向けというよりは子供が要る方向けの記事になってしまいました。
褒め方には賛否両論あるかと思います。
最近ではやたらとほめちぎってご機嫌を取ろうとしている人をたまに見たりします。
そういった人を見ると言葉に重みが無いな‼
と私は感じてしまいます。
なぜかと言いますと…
私自身もそう言う所あったので本当に良く分かります。
以前は人をほめるときは反射的にほめていました(キャッチボールのように)
しかしここ最近では相手の話を一旦聞いて、相手の努力している所を探してほめるようにしています。
特に子供は大人と違ってとても敏感です。
言葉1つで関係性が変わってきますので、とても気を付けています。
私自身今では過剰にほめることが無くなり、自分の言葉に信ぴょう性が出てきたような気もします。
ただむやみにほめて相手のチャレンジ精神やプレッシャーを与えてしまうのでは、ほめた意味がありません。
確かに人に褒められるとうれしいもんですが、ほめかた1つで人は変わってくるのも事実です。
相手にも自分にもためになるような、ほめかたをしてみてはどうでしょうか。
終わりに
私が参考にしている本を紹介して終わりたいと思います。
「マインドセット やればできるの研究」
今回の記事の参考にもしています。
マインドを作るには、最強のメンタルを作るには…
など興味深い事が盛りだくさん書かれています。
興味のある方はリンクを張っておきますので、そちらからも確認してみてください。
最後まで読んでいただき有難うございます。
もし、記事などを見てご意見や感想を頂けるとすごく嬉しいです。
これからも良い情報を発信していきますので応援宜しくお願い致します。
では…また
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