遺言書の探し方と見つけたときの対応とは?
家族が亡くなったとき、相続の手続きは避けられません。そして、遺言書があるかどうかは、その後の流れを大きく左右します。しかし、遺言書を探しても見つからなかったり、分割協議が終わった後に突然見つかったりすることもあります。そんなとき、どうすれば良いのでしょうか?
この記事では、遺言書の探し方や、発見した場合の対処法について解説します。
遺言書は相続の道しるべ
遺言書は、被相続人(亡くなった方)の意思を明確に示すもので、法定相続よりも優先されます。つまり、法に定められた相続分よりも、遺言書の内容が重要視されるのです。
ただし、見つからなかった遺言書が後で発見されると、最初から分割協議をやり直す必要が出てくる場合があります。そうした事態を避けるためにも、遺言書の有無をしっかり確認しましょう。
遺言書の探し方:どこを探せば良い?
遺言書がどこに保管されているかは人それぞれです。以下の場所を中心に探しましょう。
1. 自宅や事務所
- 机の引き出しやタンスの中
- 金庫や本棚の隙間などに保管されていることが多いです。
2. 貸金庫
被相続人が利用していた銀行の貸金庫に保管されている可能性もあります。ただし、貸金庫を開けるには、所定の手続きが必要です。
3. 公証役場
公証役場には、公正証書遺言が保管されています。最寄りの公証役場に問い合わせれば、遺言の有無を確認できます。
4. 信託銀行
信託銀行は、遺言の作成から保管、執行までをサポートします。生前に信託銀行と関わりがあった場合は、連絡を取ると良いでしょう。
5. 専門家や知人
弁護士や行政書士に預けているケースもあります。また、親しい友人に頼んでいる場合もあるので確認しましょう。
遺言書が見つかった場合の対応
遺言書を見つけたときは、そのままの状態で保管し、家庭裁判所で検認を受ける必要があります(公正証書遺言は不要)。検認とは、遺言書の偽造や変造を防ぐための手続きです。
検認後は、遺言書の内容に基づいて相続手続きを進めます。ただし、すでに遺産分割が終わっている場合は、新たに見つかった遺言書の内容に従って手続きをやり直すことになる可能性があります。
遺言書の効力と役割
遺言書の内容は、以下のような範囲で効力を発揮します。
1. 相続・財産の分配
- 相続人の相続分の指定
- 遺贈や寄付の指示
2. 身分に関する事項
- 認知や未成年後見人の指定
3. 祭祀継承者の指定
- 墓や仏壇の管理者の決定
まとめ:遺言書を見つけたら冷静に対応
遺言書が見つかった場合、以下のポイントを押さえてください:
- 遺言書は発見したままの状態で保管し、家庭裁判所で検認を受ける。
- 見つける前に分割協議を終えた場合も、遺言書の内容に従って再調整する可能性がある。
- 貸金庫や信託銀行、専門家への相談も視野に入れる。
遺言書を探す段階でしっかり確認しておくことで、相続トラブルを未然に防ぐことができます。日頃から遺言書の存在や保管場所について家族で話し合っておくのも重要です。
遺言書の確認や相続手続きに関する疑問があれば、専門家に相談することをおすすめします。必要な知識を事前に得て、相続を円滑に進めましょう!