子どもが学校の友人関係で悩んでいる、お父さん・お母さんにご紹介したい本がございます。
もちろん悩まれている中高生の方にも読んでいただきたい本です。
それはこちらです…
友だち幻想「みんな仲良くという重圧に苦しんでいる人へ」
この本は…人と人とのつながりをテーマにした本となっています。
また、テレビの世界一受けたい授業でも取り上げられ今話題になっている本でもあります。
ご自分の子供が学校の友達関係で悩まれているときには…
- どうにかしてあげたいし…
- 何とか頑張ってほしいし…
- 友だちと仲良くやってほしいし…
- 寄り添って何とかしてあげたい…など
この本にはそういった悩んでいる子供たちに少しでも役に立てる内容が書かれています。
本当にぜったいに役に立つと思います。
自信をもって言います。
なぜかと言いますと…この本は「人間関係に悩む」中高生の向けられた内容の本になっているからです。
著者の菅野仁さんがこの本を書こうと思った理由は、ご自分の娘さんが学校の友人関係で悩んでいたことがきっかけで、この本を書いたとの事です。
菅野さんは社会学者でもあるのですが、教育者そして親としての視点からこの本を書いたそうです。
また、僕自身もこの本を読んでいたおかげで助けられたことが多々あります。
僕は行政書士の仕事もしながらも教育関連のお仕事もさせて頂いています。
その中で中高生の相談も受ける事が多数あり、その相談の中で一番多いのは…
やはり人間関係でした。
正直な話、僕の仕事がら法律の相談や、家族の相談といっても相続関係の相談などが一般的です。
そんな中で、学校での中高生の悩みに対応できる知識は僕には全くありません。
そんな時に助けてくれたのがこの本でした。
この本には…
友達は何より大切。
でも、なぜ、こんなに友だちとの関係で傷つき、悩むのだろう。
そういった悩みの解決策や、友達との距離感を上手く築けるようになるにはどうすれば良いのか?
人と人との距離感覚をみがいて、上手につながりを築けるようになるためのアドバイスが書かれています。
- 大人の自分たちが読んでも、人間関係とは何か?
- 1人でいるのは嫌だけど…繋がっていたい
- 人と人との距離感がつかめない?
など考えさせられる内容の本となっています。
中高生が友だち幻想を読んだ後…もしかすると友達関係につかれていた…
なんて思う事もあるかもしれません。
さて本の中で著者が伝えたい事で僕自身が気になる所をいくつかピックアップして少し要約してみたいと思います。
「友人重視指向」とは
日本は諸外国に比べて「友人重視指向」が高いと言われているそうです。
どういう事かというと、「若いうちにやってぜひやっておきたいことは何?」という質問に対して諸外国は「えらくなりたい」や「自分を磨きたい」などアグレッシブな答えが多かったそうです。
それにくらべて日本はどうだったかというと…
「一生付き合える友人を得たい」とか「いろいろな人と付き合って人間関係を豊かにしたい」などの意見が多かったようです。
人と関わっていたいという思いが大きいのでしょうね。
しかし、その反面友だちをめぐる悩みや問題も抱えているのも多いようです。
日本の若者は人と人とのつながりを重視しながらも、どのようにして繋がりを築けるのかという問題について悩み自信が持てなくなっていると著者は言います。
友だちは大切だが、でも友達との関係は息苦しいと感じる。
少し矛盾しているような気もしますがこれが今の現実なんでしょう。
著者は「人と人とのつながり」を根本から見直す必要があるのではないか著者は思っています。
【人は一人では生きられない】
僕たちは小さいころから「人は一人では生きていけない」といわれてきました。
テレビなどでもそういった事を聞いたことある人はいるかと思います。
果たして本当にそうなのか?
現代では「誰とも付き合わず1人で生きる」事が出来る時代ではないのでしょうか?
都心部で生活していればなんでもある環境ですので特に苦労はないと思います。
地方だとそういう訳にはいかないと思いますが、今の時代では一人でも生きていく事は可能だと思います。
著者がその中で言いたいことは…
つまり、つながり方の問題を考え直したほうが良いと主張しているのです。
親しさを求める作法とは
著者は誰でも「人と親しくなりたい」「人と人とつながりの中で幸せを感じたい」と言っています。
人はそうやってつながりを求めるものだと。
しかし現代はそれを求めると、人を傷つけたり、人を追い込んだりとするような現象が起こることがあるそうです。
その原因は…親しさを求める作法が「ムラ社会」の時代の伝統的な考え方を引きずっていると言っています。
「ムラ社会」とは集落的な考え方の社会という事です。(先輩後輩など、ちょっとした上下関係など)
この「ムラ社会」的な考え方が今の時代にフィットしなくなってきていて、その考え方を早く脱却すほうがよいと言っているのです。
人と人との距離感を丁寧に見つめなおしたり、気の合わない人とでもいっしょにいる作法を学んだほうが良いとも言っています。
(早く古い考えを捨てる事だと思います)
昔はどうだったとか…こうあるべきなど…
こういった考えが人を苦しめるのかもしれませんね。
なぜいない人の悪口を言うのか?
学校などで親しいはずのなのに、その場にいない友だちの悪口を言う行為がなぜ起こるのか?
自分も最近そういった相談を受けたことがあります。
ある男子が”もう女子とは付き合えません”と言ってきた事を思い出します。
その相談してきた男子に、なぜなのと聞くと…
”女子はいない人の悪口を言うんです”
だから、きっと付き合ったら自分も悪口も言われてしまいます。
と相談を受けたことを覚えています。
著者は親しい友達であるはずなのに、なぜこういったいない人の悪口を言う行動についてこう言っています。
私とあなた以外の人を排除することにより
”あなたと私の親しさを確認し合う”
そしていない人の悪口を言って盛り上がることで、親しさを確認するためにそのような行動をするようです。
先程の男子の相談してきた内容と似ていますよね。
いつ自分がその標的になり、悪口を言われているか不安になってしまいますよね。
相談してきた男子もその不安があるため”もう女子とは付き合えない”と言ってきたのでしょう。
大人の世界でもそういった事ってありませんか?
仕事が終わっても、ずっと帰らずに遅くまで残っておしゃべりをしている人、自分の悪口が言われていないか心配なんでしょうね。
大人の世界でもあるように子ども世界でも同じようなことが起きている。
って事なんでしょう。
それじゃ心も体も疲れてしまいますよね。
メールでもそういった事があるそうです。
いわゆる「即レス」ていうやつです。
メールを送った人も、メールを受け取った人も…
- ”返事が来ない”
- ”返事を返さなきゃ”
などお互いでプレッシャーをかけあっている状態の事です。
これを著者は「同調圧力」と呼んでいます。
この「同調圧力」で悩まされている人が多いとの事です。
具体的に「同調圧力」とはどういったものかと言いますと…
- ”みんなと同じものを持ったり”
- ”その時期にはやっている言葉を使ったり”
と自分との好みとは一切関係なくみんなと一緒にしてしまう事のようです。
その行為には、自分だけが浮いてしまうのが怖かったり、ノリが悪い奴と思われたくない、という心理が働きそういった行動になってしまうようです。
公園デビューしたお母さん同士にもそういった「同調圧力」があったりするそうです。
ちなみにわれわれの身の回りにも「同調圧力」が張り巡らされていると思いませんか?
今後はこの「同調圧力」から抜け出すことが課題となってくるのです。
本の中では「同調圧力」に巻き込まれないようにするためには…
相手との距離感が大事だと言っています。
相手との距離感が一致している場合はお互いに上手く行くようですが、距離感がうまく取れずにいる場合は相手との関係がギクシャクしてしまうと言っています。
僕の受ける相談でも”自分はコミュ障だから”と思っている子供や大人がいます。
その方たちが悩んでいるのは、やはり相手との距離感がつかめず相手との関係が進展しないことについて悩んでいる感が否めません。
僕はいつもそのように悩んでいる人たちに、各々違いますからあまり気にしないようにと伝えるようにしています。
この様な相談をしてくる人たちの話を聞いていると、いつも感じるのは”何かと比較したがる”傾向を感じます。
相談者の中には…
コミュニケーション能力が高いけど自分はコミュ障だと思い込んでいる人もいれば
相手はきっと自分事を”○○に思っているだ”と決めつける人もいたりします。
そういった方には、余り人と比較をしないようにやんわり伝えるようにしています。
【ルール関係を作ること】
著者は自分以外の人達と共存していくにはお互いに最低守らなければならないルールを設けるべきと言っています。
このルール関係をきちんと打ち立ててお互いに守るべき範囲を定めてい置くことが重要だそうです。
あくまでもルールは”自由のため”であり、規則を増やし事由の幅を少なくするために”ルール”を設けた訳ではないと言います。
出来るだけ多く自由を保障するために必要不可欠を考えているのです。
またルールを設けることにより”自分の身の安全を守ることに繋がる”とも言っています。
どういう事かと言いますと…
例えば…「人を殺さない 人から盗まない」というルールがあったとします。
そのルールの逆を言えば「人を殺さない 人の盗まれない」という事が出来ます。
つまり”ルール”を設けることにより、自分の事もその”ルール”で守ってもらうことが出来るという事です。
「いじめ」の問題を改めて考え直してみると誰かをいじめると、今度は自分がいつやられるかが不安になります。
いじめはその時の力関係により大きく変わってくるものです。
著者はそういった事をなくすために、こういった”ルール関係”を作るという考えを学校にも導入することにより問題解決できるのではないかと考えています。
いかがだったでしょうか…
- 友人重要指向とは
- 人は一人では生きられない
- 親しさを求める作法とは
- なぜいない人の悪口を言うのか?
- ルール関係を作る
自分が気になる項目を少し要約してみました。
他にも…
- 気に入らない人とも並存する作法
- 家族との関係
- 大人になること など
色々と参考になる事が書かれています。
もしお時間があれば読んでみてください。
最後に
僕がこの本をお勧めしたい理由は、学校での対人関係で悩んでいる子供が多いという事です。
もちろんどの時代にもそういった悩みはつきものです。
しかし、今の時代SNSの発達によりコミュニケーションが昔に比べて格段に簡単にできるようになったと思います。
お家に居ても・外に居ても・お手軽にみんなと繋がってられるようになりました。
便利になったのも良い事ですが、しかしその反面弊害も出てきていることも事実です。
lineが来たら…すぐにかえさなきゃいけない 仲間外れにされてしまうかも…
心の距離感をつかむのが以前に比べて大人も子供も、難しくなってきているような気がします。
この本の中にはそういった悩みの解決の仕方や心が疲れないようにする考え方が書かれています。
この本を読むことによって少しでも、あなたのお子さんや、あなた自身の解決できればと思いお勧めいたしました。
リンクを張っておきますのでこちらから確認してください。
そんなにページ数も多くないので1日2日では読めると思います。
読むと少し気持ちが楽になると思いますよ…
友だち幻想
最期まで読んでいただきありがとうございます。
これからも良い情報を発信してまいりますので応援よろしくお願い致します。
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