源泉徴収税の計算と手続き|仕組みをやさしく解説

源泉徴収税の計算と手続き|仕組みをやさしく解説

源泉徴収税とは、会社が従業員の給与から所得税を天引きし、国に納付する仕組みです。この仕組みを正しく理解し、スムーズに手続きを進めるポイントを詳しく解説します。


源泉徴収税とは?

簡単な仕組み

会社が従業員に支払う給与や賞与から、所得税を天引きして国に納付します。この天引きされた税金が「源泉徴収税」です。所得税を正確に計算するために「給与所得の源泉徴収税額表」が用いられます。


源泉徴収税の計算手順

1. 非課税項目を差し引く

給与には課税対象外の項目が含まれる場合があります。例えば、以下の手当が非課税となります:

  • 通勤手当(一定額まで)
  • 出張手当(要件を満たす場合)

2. 社会保険料を控除

課税対象額を求めるため、給与から健康保険料や厚生年金保険料を差し引きます。


3. 扶養控除の確認

従業員が「扶養控除等(異動)申告書」を提出している場合、扶養親族の人数に応じて税額が軽減されます。

ただし、申告書がない場合(乙欄適用)は控除が受けられません。

扶養控除の例

  • 控除対象配偶者:配偶者を扶養している場合、税額が軽減されます。
  • 障害者扶養:対象者が障害者である場合、控除が増加します。

4. 税額表で確認

最終的な課税対象額を「源泉徴収税額表」に当てはめて税額を確認します。税額表は「月額表」「日額表」と分かれているため、支払い形態に応じて選びましょう。


計算の具体例

ケース1:扶養控除申告書が提出されている場合

  1. 給与総額:30万円
  2. 非課税通勤手当:4,200円
  3. 社会保険料:4万円
  4. 課税対象額:30万円 – 4,200円 – 4万円 = 25万8,000円

税額表(甲欄)に基づき → 税額:4,000円(仮例)。


ケース2:扶養控除申告書がない場合

同じ条件でも乙欄適用 → 税額:6,000円(仮例)。


注意点とチェックポイント

  1. 申告書の提出が重要
    「扶養控除等(異動)申告書」の提出有無で税額が大きく変わります。提出を促しましょう。
  2. 非課税項目を漏れなく計上
    通勤手当や出張手当など、非課税項目を正確に控除することが従業員の負担軽減につながります。
  3. 最新の税額表を使用
    毎年、税額表が改定される場合があります。最新情報を必ず確認してください。

まとめ

  • 源泉徴収税は給与や賞与から天引きされる所得税です。
  • 計算手順は、非課税項目の控除 → 社会保険料の控除 → 扶養控除の確認 → 税額表への適用。
  • 申告書の提出や非課税手当の確認を徹底し、正確な計算を行いましょう。

源泉徴収税の計算は複雑ですが、正確な手続きが従業員と会社の信頼関係を築く鍵となります。

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参考リンク:国税庁|給与所得の源泉徴収税額表

参考リンク:厚生労働省|扶養控除等申告書について